【ご報告】新作『おしいれのぼうけん』が次年度全国の子ども劇場公演採択数で1位になりました!

脚本・演出として関わった『おしいれのぼうけん』(松本美里一人芝居/人形劇団ひとみ座作品/原作ふるたたるひ・たばたせいいち)が、次年度の子ども劇場の全国採択数1位になりました!

全国172の創造団体、484本の作品の中での1位。
何十年も子どもと劇を観続けてきて、毎回本気で「次はどの作品に取り組むか」を考えて活動している子ども劇場(おやこ劇場)の皆さんから一番多く選んでいただけたことは、どんな賞を受賞するよりも嬉しいことです。
『はれときどきぶた』(2019年度)以来の1位。前作の成功は死んでも追いかけないぞ、と心に決めてのスタートでした。

今回は人形を「動かさない」という新たな技法に挑戦しました。新作を創るということは何に挑戦するかを決める、ということです。人形を動かさないという事は、観客である子ども達の想像力への挑戦でもありました。

昨今CGやプロジェクションマッピングでなんでも見せることが流行り。でもその分観客の想像力は必要とされなくなっています。ボク達は、あえて「置き人形」を用いることで、登場人物の表情はおろか動きまで子ども達の想像に委ねました。その中で見つかった人形劇の新しいスタイル。人形を置くことで、かえって人形が今にも動き出すように感じるこの不思議。人形の力。想像力。この仕事に誇りを感じます。(もちろん動く人形も出て来ますよ 笑)

今でも時々「早くテレビに出られたらいいですね」と声をかけられますが、そんなことはツユも考えておりません。ボクが作りたいのは子ども達を目の前にした劇。それも黙って観ていなくてはならないような大きくて堅いものではなく、感じたままを言葉に出せ、それをみんなで共有できる朗らかで柔らかい小さな営みです。

お母さんにくっついて観る。これも観劇体験
姿勢も「表現」。この表現の自由を保障するため最前列は平土間席

合理性や経済至上主義ではとても作れない奇跡のような場を生み出すことに、これからも自分の能力と時間を使っていくつもりです。

『おしいれのぼうけん』は美里さんの魅力の詰まった一人芝居ですが、作品づくりは今回もチーム戦でした。庄子(智一)さんの音楽、トーコ(本川東洋子さん)の美術、ひとみ座アトリエの技術、今回は裏方に回ってくれたモリシ(森下勝史くん)のアイデア、来住野さんや甲斐さんという制作陣の客観的な意見、そしてひとみ座代表のこてつさん(中村孝男さん)に支えられてやっとこさ生まれてきた新作です。このメンバーでなければこの作品にならなかった。今回も心からそう言える創作活動が出来たことが何よりの誇りです。

ひとみ座のみんなと

シナリオ工房天邪鬼は、これからも出会いと挑戦の中で新しい児童演劇作品を生み出していきたいと考えています。ひとみ座と作った作品の他に、現在、劇団さんぽさん(福岡)、劇団仲間さん(東京)、人形劇団むすび座さん(愛知)とともに作った作品が計6本、日本全国で上演中です。機会がございましたらぜひご覧くださいませ〜

『おしいれのぼうけん』について美里さんと対談した時の記事はこちら

実際の子ども劇場での公演の様子は、東京の江戸川子ども劇場さんが丁寧にレポートしてくださっています。江戸川子ども劇場さんのブログはこちら

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