はれぶたサウンドトラックCD発売記念! 演出が楽曲について「ウラ話付き」解説をします!

『はれときどきぶた』(人形劇団ひとみ座)は、作曲家庄子智一さんの素敵な音楽と演者達の優しい歌声が沢山詰まった人形劇です。なんと! この度その人形劇のサウンドトラックCDがひとみ座レーベルから発売されることになりました。解説を書きましたのでどうぞご覧ください。

 

1. もしもあめのかわりに…村山籌子(かずこ)さんの詩との出会いが、ボク達のはれぶたの方向性を決定づけた。子どもの世界にただただ寄り添い世界を見つめるこの姿勢。なんとこれは1924年に書かれた詩である。

2. 洗濯日和…作曲家の庄子さんが洗濯をしている時に生まれたという曲。ボク達は、はれぶたを昭和の物語から今の物語に移し替えたが、庄子さんの音楽が担ってくれた役割は限りなく大きい。

3. たまちゃんの想像劇場…この物語のもう一人の主人公であるたまちゃんは、文字のない世界を生きている。その豊かさ。ぜひ、はれぶたシリーズ最新作「はれたまたまこぶた」と共にお楽しみいただきたい。

4. あしたの日記…演出としてこの場面を物語のプロットポイント(転換点)と捉え大いに遊んだ。モリシが前奏を奏でると照明は変わらないのに、子ども達は「夜だよ夜」とつぶやいたり「寝ちゃダメ〜」と人形に話しかけたりする。これはすごい事だ。

5. 日記見てよ〜…「これまでのMをベースに牧歌的に」という演出の要求を遥かに超えた編曲。ボクは日記を見てもらえない則安にだけ着目していたが、庄子さんには日常の中にキラキラ光る家族の幸せが見えていた。作曲家庄子智一の真骨頂。

6. ぶたはお天気雨のように降ってきた…唯一演出と作曲家がモメた曲。その原因は演出にあった。豚が降ってくる事にとらわれて「この曲だけはド派手に作って下さい」と間違ったお願いをしてしまったのだ。結局答えはM1の中にありました。

7. さよならぶたこ…庄子さんは本来ピアノの人。今回は「ガットギター×ボサノバ調」というコンセプトでお願いしていたが、ここにピアノアレンジが入ることで作品に奥行きが出た。

8. カーテンコール…M2のアレンジ。M2は洗濯のテーマであり、人形を遣い、楽器を奏で、歌い、物語る三人の語り手達のテーマでもあった。この曲の中、演者と観客は物語の世界から現実の世界に戻ってきて再会する。会場に余韻が広がる瞬間。

作曲・ピアノ演奏:庄子智一
M1作詞:村山籌子
M4作詞:西上寛樹
ギター演奏:米山典昭
歌:松本美里・森下勝史・来住野正雄

ボク達はこの作品の中に大切なものを沢山詰め込みました。このC Dにはその秘密が詰まっています。でも本当に大切なものは皆さんの心の中にすでにあるはずですから、このC Dの中にあるのも実は、皆さんの大切なものを発見するためのきっかけに過ぎないのかもしれません。

2019年12月1日西上寛樹

CDは、はれときどきぶたの上演会場で販売しております。(税込み1500円)
ひとみ座レーベルでの制作(つまり自費出版)になりますので、数にかぎりがございます。(笑)どうぞお早めにお求めくださいませ。
他にも、松本美里お手製のぶたこ人形や、西上が撮影した写真で作ったポストカードも販売中です。チェックして下さいね〜

あと、歌録りの時に庄子さんが動画を撮ってくれていたので編集してみました。どうぞご覧くださいませ。

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