伊佐日記1〜鹿児島県の古民家に移住しました! まずやったことは簡易バイオトイレづくり。これ、災害時に大活躍!?〜

久しぶりのブログ更新です。
言い訳は色々あるのですが始めると長くなりますので全部省略して本題のバイオトイレへの挑戦について書きます。

この記事内では、写真を数枚使用しますがトイレとして使用する前の写真だけを掲載します。ですので、写真を見て不快感を覚えることはないと思うのですが、うんちやおしっこという言葉はそのまま使用しますのでその点ご注意くださいませ。

トイレの床がない!

ボク達の引っ越した家は広くていいんですがトイレがありません。

いや、あるんですが床が無いんです。空き家になって25年。床が腐って落ちてました。
上記間取り図のトイレは手前が男性用トイレ、奥が女性用と区切られているのですが、手前の男性用トイレの床が腐っていて奥に辿り着けません。
ちなみに汲み取り式のトイレです。どんな様子かはご想像にお任せしますが、臭いはしないのでご安心を。

水洗トイレの検討

最初ボク達は当然のようにこのトイレを水洗トイレに直す道を探りました。多くの方はそう考えるのではないかと思います。
水洗トイレの場合、おしっこやうんちをどう流すか、ということが問題ですね。

え? 下水でしょ?

というのは、都市部に暮らしている人の意見。はい、ついこの間までのボク達のことです。

でも日本全国の下水道普及率を見てみると令和元年度は79.7%だそうですね。(日本下水道協会HPより)

政令都市の普及率は軒並み高く、東京23区99.9%、大阪市100%、名古屋市99.3%となっています。そして引っ越した先の鹿児島県の普及率は低く42.4%。鹿児島県全体でみると半分以上のお宅に下水道が設置されていないのです。

じゃあそのまま流してるの?

と言いますと、もちろんそんな訳はなく下水道が配備されていないお宅の水洗トイレは、各家庭で浄化槽を使って処理したり、農業集落排水で地区ごとに処理しているようです。
法律でそう定められているんですね。これも今回知りました。

何人も、終末処理下水道又は廃棄物の処理及び清掃に関する法律第八条に基づくし尿処理施設で処理する場合を除き、浄化槽で処理した後でなければ、し尿を公共用水域等に放流してはならない。

浄化槽法 第三条

そして引越し先の家には、下水道も集落排水も通っていませんでした。
ということは汲み取り式のままいくか、水洗の場合は、法律上浄化槽を導入するしかありません。

浄化槽は補助金があるけどそれでも高い!

ここでいう浄化槽は合併処理浄化槽といって、トイレからのし尿だけでなく台所、お風呂からの生活排水もまとめて一緒に処理してくれるものです。

ボク達が移住した伊佐市の場合、汲み取り式のトイレから合併処理浄化槽を用いた水洗トイレに変更した場合以下の補助金が出ます。(2021年4月26日現在)

  • 5人槽:332,000円   
  • 7人槽:414,000円   
  • 10人槽:548,000円

おお。結構出ますな。でも肝心なのは、

工事総額でどれくらいかかるの?

ってことです。試しにネットで検索してみると、入れ替え工事の相場としてこうありました。

5人槽…80〜100万円
7人槽…100〜140万円

高っ!
補助金分を差し引いても数十万円かかります。我が家の経済状況ではトイレにそんなにお金をかけられません。

よし。水洗トイレはあきらめよう!

ウチの場合、予算上の問題から一瞬でこの結論が出ました。

でも正直昔ながらの汲み取り式には二の足を踏んでしまいます。

途方に暮れていた時に現れたのがバイオトイレという選択でした。

バイオトイレとは?

皆さんはバイオトイレって知っていますか?

ボクは屋久島に行った時に初めて使いました。これがですね。

全然臭くないんです

「なんで?」

屋久島のトイレにはこんな説明があります。

糞尿や生ごみの成分は殆どが水分です。その水分をオガクズに保水させ加熱し、

スクリューで攪拌し、蒸発させます。水分は臭いを発生することなく蒸発します。

残った固形分を微生物分解し、発散させます。

以下のサイトに写真や図解入りで説明がありますので興味のある方は覗いてみてください。

屋久島パーソナルエコツアーHPより

バイオトイレの魅力

ボク達が惹かれたのは以下の点です。

  • 臭わない→これ大事!
  • 水が要らない→配管工事費がかからない!
  • 微生物の力を借りる→人間中心主義を毎日トイレで修正できる!

こんなに快適で、リーズナブルで、哲学的なバイオトイレ。ウチはもうこれしかない!

でもここで一つ問題が浮上しました。

攪拌(かくはん=かき混ぜること)の問題です。

屋久島のバイオトイレは電気でスクリューを回して排泄物とオガクズを攪拌しています。そんな高度なシステムを導入しようとしたら一体いくらかかるのか。悪い予感しかしません。
それにこれはまた別の記事で詳しく書こうと思いますが、ボク達が引っ越す家には電気がないのです。

というわけで、攪拌を電動に頼らず手動で行うトイレについて調べました。これは「バイオトイレ」より「コンポストトイレ」と検索した方がヒットしやすいかもしません。

上記のタイプは手でレバーを引いて攪拌することが出来ます。見た目もウッディーでなかなか可愛い。でもボク達は結局導入しないことにしました。

コンポストトイレ採用に至らず

その理由は、

  • 安いとはいえ8万円以上する
  • タンクが小さいので頻繁に取り出す必要がある

です。
取り出し頻度を少なくするためには、大きいタンクを用意するしかありませんが、そうすると費用がかさみますし、何よりどデカい箱がトイレ内に鎮座することになります。それはちょっと嫌。

う〜ん、どうしよう……。

そんな時に出会ったのがナルナル菌を使ったナルナルトイレについての記事でした。

http://blog.livedoor.jp/agrikin/archives/2058298.html

ナルナルトイレとは?

まずナルナル菌とは、

籾殻を使用した、植物成長促進効果のある微生物資材「土耕菌ナルナル」。化学薬品は一切使用せず、自然素材を応用して製造されています。土が軟らかくナル 生育が良くナル 食味が良くナルと好評です。

http://suzuyasu.jp/kodawari/

というように、土耕菌として農業用に用いるもののようです。

ナルナルトイレはこれをトイレに使用し、し尿をナルナル菌に分解してもらうというシステム。

http://blog.livedoor.jp/agrikin/archives/2058298.htmlより

ナルナル式トイレのポイントは、

  • 臭わない
  • 汲み取り式の便槽をそのまま使える
  • 半永久的に使用可

ということです。

なにそれ? 最高じゃないですか!?

反対に気になったのは、

  • 寒冷地では水分が凍結したりしますので能力が発揮できません。

という一文。
実は、ボク達の引っ越した伊佐市は、「鹿児島の北海道」という異名を持つほど寒いらしいのです。調べてみると1月の平均最低気温はマイナス1.3度。凍結して菌が死んじゃうんじゃないか心配です。

というわけで、ナルナル菌を販売しているサイトにメールで問い合わせてみました。するとすぐにこんなお返事が届きました。

外気温が零下でも、便槽の中が凍結しなければ大丈夫です。
地中は暖かいので、山岳高地でなければ凍結はしないのではと思います。
また、一冬ずっと凍結しているわけでもないでしょう。
溶ければすぐに菌が活躍しますし、完全凍結しなければ大丈夫だと思います。
便もすぐにカチコチになるわけではなく、その間に菌が浸透してゆきます。
高価なものでもないので、実際に使用してみてください。

ナルナル菌は、4リットル2,750円+送料。これだけで上手くいけば半永久的に使えるのです。

やってみるしかない!

というわけで我が家はナルナルトイレに挑戦してみることにしました。

でもトイレの床はまだありませんので、まずはポータブルトイレで実験してみることにしました。

ナルナル式トイレの実験1/用意したもの

用意したものはこちら。

写真左よりモミガラ、米糠、ナルナル菌
後ろポータブルトイレ

ナルナル菌は上記サイトから注文、モミガラは伊佐市の農家さんから、米糠はお米屋さんから分けていただきました。ポータブルトイレはホームセンターで購入。(ポータブルトイレの中に12リットルのバケツが入っています)

では、上記解説にしたがってセットします。

1、バケツの半分ほどまでモミガラを入れる。
2、米糠を入れる。(上写真分全部入れました。これが失敗の元になります)
3、ナルナル菌を入れる。
4、終了。(混ぜてません)

こんな感じになりました。

ここに朝おしっこをして夕方確認すると、見たたこともない虫が湧いてました。

え〜〜!!

はい。いきなり失敗です。

失敗! 原因は……

すぐにナルナル菌のサイトに経緯を説明し、何がいけなかったのかを尋ねてみました。
今度も1日もたたずにこんなお返事をいただきました。(お忙しいところすぐにお返事をいただきましてありがとうございます!)

米糠が多すぎるのが原因だと無思います。
米糠を全く入れずに試してください。それと小のみだと養分が偏ります。
大小が混ざった栄養バランスも必要になります。
昔の学校の汲み取り式では、大の量が極端に少ないために臭かったと聞きました。

どうやら原因は米糠のようです。

実験2/米糠なしバージョン

翌朝、今度は米糠なしバージョンを作って試してみました。

それから7日間。うんちもおしっこもしましたが、虫は一切来ません。

臭いの方もまずうんちの方はほとんど気になりません。
便座に座っていても臭いに気がつきません。
おしっこの臭いが少しするくらい。
これも最初からするわけではなく、回数を重ねるうちに少し臭いがしてくるという感じ。

コンポストトイレのことを調べている時に、昔のトイレが臭かったのは「うんちとおしっこが混ざっていたからだ」という指摘がありましたが、ボクも実感としてトイレの臭いの原因はうんちよりもおしっこにあるように思います。おしっこの方が化学変化が起こるのに時間がかかるのでしょう。

ちなみに、トイレットペーパーの代わりにソフトちり紙を使用していますが、これは単純にトイレットペーパーを設置する場所がないのでそうしているだけで、水に溶ける、ということに関してはソフトちり紙もトイレットペーパーも同じです。ただ、ナルナルトイレの説明のどこかにもありましたが、これらの紙の分解には少し時間がかかるようですので、ポータブルトイレのように便槽の小さなところで使用するには分解が間に合っていかない気がします。

そして、上記実験はボク一人だけで行っています。パートナーは仕事でまだ伊佐に来ていなかったのです。

そしてついにパートナーも伊佐にやってきました。一緒にこのトイレを使いました。

そしたらあっという間に臭くなりました。おしっこの方が。

大人2人をカバーするには12リットルのバケツではまかなえないようです。(2、3日ならいけると思います)

そこでバケツを増やすことにしました。

実験3/バケツを3個に増やす!

12リットルのバケツ×3
本当はもっと大きなバケツがあったら良かったんですが、ポータブルトイレは基本的に介護用に販売されているものなので、あんまり容量が大きいとバケツが重くて運べないことからこれくらいの大きさになっています。(商品によっては容量が明示されていないので注意!)

これを日替わりでローテーションしていけばなんとかなるんじゃないかなあ……。

そして10日間が過ぎました。

実験の結果は……

実験の結果

今のところ、臭いはあまり気にしないで使えています。

ただし、臭いがしないように(バケツ内のおしっこが増え過ぎないように)外に出かけた時はトイレを済ませておく癖が二人ともついてしまいました。はい。トイレパラサイトの状態です。

これでは完全にバイオトイレに成功したとは言えないでしょう。

でも今ボク達が使用しているのは、12リットル×3=36リットルの便槽での話。

ウチの古民家のトイレはですね。1000リットルの便槽を持っているのですよ。えっへん。

おそらくこれだけ立派な便槽があれば、モミガラとナルナル菌の力でかなり快適なバイオトイレ生活が過ごせるのではないかと踏んでいます。

そのために早く床を入れなくては!

というわけで鹿児島県伊佐市での新生活を「伊佐日記」として時々レポートします。

他にも電気、ガス、水道が今のところありません。さてどうなりますか……。

お楽しみに!

災害への備え

ボク達はこの地球(ほし)に生きていることの一つ一つを確認したくてこのような生活を始めましたが、それはそのまま災害時への備えに転用できそうです。

今回のポータブルトイレとナルナル菌の組み合わせ、気になる方は家にキープしておくのもありかもしれませんよ。災害時になくて困るのは電気やガスではありません。水とトイレです。

最後にもう一度使用したもののリストを載せておきます。

  • ポータブルトイレ
  • ポータブルトイレ・ストック用バケツ(ホームセンターナフコで直接注文しました)
  • モミガラ(農家さんからいただきました)
  • ナルナル菌

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