脚色の方法 原作リサーチ 『夢応の鯉魚(むおうのりぎょ)』製作日誌2

前回、脚色の方法について書いてみたら思いのほか反響をいただきました。「原作の模写ってそんなに珍しいのかなー」と思いつつ、劇作家が脚色の段階を公開することがそもそも珍しいのかと合点。
では、俳優の皆さんが稽古場の写真をアップするように、ボクも脚色の段階をアップしてみようと思います。

今回は原作のリサーチ。原作に関係することを手当たり次第調べていきます。

例えば、『夢応の鯉魚』というのは、興義(こうぎ)という魚の絵を描く僧が、魚を描いているうちに自分が魚になる、という話なのですが、調べていくと興義にはモデルがいたことがわかってきました。葛蛇玉(かつじゃぎょく)という江戸時代中期の画家で、作者の上田秋成と同じ大坂の人。そして葛蛇玉が描いた鯉の絵を発見。これか!!

こういう時間が楽しい。いや、もちろんこの絵をプロジェクターで投影するなんて野暮なことはしませんよ。でもこういうリサーチの中でずっとボクは考えるわけです。「なんで興義は魚になっちゃったんだろう」って。そしたら飛躍が起こって「あ、これは〇〇だ!」となって〇〇の調査を始める。原作とおよそ関係のない調べ物に発展した時、すごい発見というか「見える」瞬間があったりします。この時間がたまらなく面白い。

『ちゃんぷるー』のリサーチは、東北のタクシー運転手についての調べ物になり、『はれときどきぶた』は鏡文字、『トッケビ』は、桃太郎、『スーサイドショップ』は、老舗旦那衆の声の収集になりました。
調べ物上手くなったかな? と振り返りながら、最初の『ズッコケ時間漂流記』の頃の資料を出してみました。すると、このころはまだ鉛筆手書き。

今は全部パソコン入力。
「飛躍」という意味では手書きの方が合ってるのかもなあ…

ちなみに今回の『夢応の鯉魚』は、12月1日、2日上演の短距離走企画。調べ物もほどほどに稽古場に入らなくてはいけません。稽古場でどれだけ散らかせるかが勝負です。

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