劇の後の感想の場って窮屈な時間になりがちではないですか?
そこで数年前から「ゲキミテアフタートーク」という試みをスタートさせました。
これは2人1組(3人1組でも可)になってもらって遊び感覚で劇の感想をおしゃべりするものです。
相手は友達でも兄弟でも親子でもOK。3歳くらいから楽しめるとても簡単な内容です。
コーディネーターはあらかじめその作品に合わせた質問カードを用意しておきます。
そのカードから場の雰囲気に合わせて皆さんに問いかけます。
実際どんな質問をするのか、過去の質問をいくつか書き出してみますね。
Q1、劇に出てきた人の中で1人、今日あなたの家にお泊まりに来ます。誰に来て欲しいですか? 何をしたいですか?
Q2、あなたは実は役者さんです。どの役をしたいですか?どの場面をしたいですか?
Q3、ごろちゃんのお父さんのお仕事はなんだと思う?
Q4、色んな遊びが出てきたけど、どの遊びをやってみたいですか?
Q5、大変! この作品のタイトルが大人の事情で使えなくなっちゃった。別の名前を考えてください!
Q6、ももんちゃんは何歳だと思いますか?
と、こんな感じです。
こういう質問をもとにペアでおしゃべりをしてもらうんです。
するとあら不思議。ば〜とおしゃべりが始まります。
きっと、
2人組(3人組)だから恥ずかしくない
他のグループも喋ってるから自分達だけが注目されることもない
答えがない質問だから間違える心配もない
こんなことが子ども達の安心に繋がるのでしょう。だんだん声が出てきます。
でもシェアはします。
その時にはこんな聞き方。
「今話してたこと教えてくれる人いますかー?」
一度言葉にしたことだから発言しやすいわけです。
もし手が上がらない場合は、
「じゃあ僕たちから言うねー」
と言って、自分たちがおしゃべりしていたことを伝えます。
コーディネーターもペアを作っておしゃべりを楽しんでいたわけです。
楽しかったことを伝えるのでコーディネーターの声は明るくなります。
すると、その明るさに触発されてシェアをしてくれる子が増えてきます。
でもシェアはあくまでおまけで、メインはペアトーク。
「喋る時間」と「聞く時間」がなるべく同じになることがゲキミテアフタートークで大事なこと。
感想は「表現でありコミュニケーションの時間」と考えているからです。
実はこの考え方が、従来の感想の位置付けと最も違うところなんです。
これまでの感想は、「劇をどう受け止めたかな?」という入力チェックの時間になりがちだったわけです。
それはもちろん、その子の成長を願ってのことだと思うのですが、聞かれる子どもの側からしたらどうしても大人の「意図」や「作為性」を感じてしまいます。
子どもはこれが嫌だったわけです。
誰だって嫌ですよね。
その質問が自分を試していると思ったら。
大人だって大勢の前で感想を言うってすごく難しいことだと思います。それを子どもに求めていたんですよ。
ゲキミテアフタートークは、「子ども達が劇をどう受け止めたか」とかあんまり気にしてません。
それどころか、何を言ったかも実はあんまり気にしてません。
気にしているのは、「どんな声で話してるかなー」という音の方です。
本当の音と書いて本音ですからね。
あと、話している時「相手と目があったかなー?」とかそういう体の動きを見ています。
体の信号のやり取りこそコミュニケーションの核ですからね。
でもその方がかえって子ども達の言葉が色々出てくるんです。もちろん大人も。
大事なものはやっぱり遊びの中にありますね。
あなたも『おしいれのぼうけん』を観てゲキミテアフタートークをしてみませんか?
コーディネーターは、ボクと美里さんが務めます。
ぜひお友達、ご家族お誘い合わせの上ご来場くださいませ。
(もちろん1人でご来場の方もご参加いただけますので安心を)
人形劇団ひとみ座作品
ひとり人形芝居
『おしいれのぼうけん』
原作:ふるたたるひ・たばたせいいち(童心社)
出演:松本美里
脚本・演出:西上寛樹
5月2日(木)19時00分〜 伊佐市菱刈環境改善センター
5月3日(金)10時30分〜/14時00分〜 伊佐市文化会館
各回50名限定
料金2,000円(3歳以上有料)
※本作品は子ども向け作品ですので子ども・大人同一料金となっております。
※チケット代は映画よりも少し高価ですが、生の舞台は本来お金のかかるものです。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
お申し込みは下記Googleフォームから