提言 「上演中の写真撮影問題について」

「りっかりっかフェスタ」から帰って来て、東京で「子どもと舞台芸術大博覧会」に参加していると危機感が薄れてしまうのですが、観劇中の写真撮影に対する予防策の必要性を感じています。
東京では観劇中にスマートホンなどで写真を撮る人は見かけませんでしたが、沖縄では見かけました。これは東京と沖縄のマナーの違いではなく、海外からの参加者の比率の問題だと思います。沖縄では海外からの作品参加が圧倒的に多く、TYAのミーティングもあったので外国人アーティストがいっぱい。海外フェスのような雰囲気が漂っていました。
そこでは、上演中の写真撮影も見かけましたし、批評対話の場でアーティストが自撮りしている姿も見かけました。
僕はこれを「マナーが悪い!」と片付けたいのではありません。ある意味仕方のない事なのではないか、とも思うからです。南アフリカアシテジ世界大会では、もっと多くの「本番中の写真撮影」を目にしました。その中には、日本人アーティストも含まれていました。
いけない事だと知っていて、みんな何故本番中に写真を撮るのか。その理由は簡単です。

報告しなければならない相手がいるからです。

海外フェスの参加者は、その国を代表してやって来ています。自国のアーティスト仲間、応援してくれている方々にフェスで行われている最新のニュースを届けるために写真を撮っているのです。
舞台の事を伝えるのに写真無しでは雰囲気は伝えられません。
舞台の上に役者が立っているのは本番中。照明が点いているのも本番中。
一番雰囲気が伝えられる写真は本番中にしか撮れないのです。
※一部乳幼児向けの作品では、観劇後舞台を解放し自由に遊んだり写真を撮ったり出来る時間を確保していましたが、やっぱりみんな本番中の写真を欲しがるでしょう。

僕自身、南アフリカで報告文をFacebookにアップする時に載せる写真がなく、パンフレットの写真を接写して載せざるを得ず「これじゃ魅力を全然伝えられないし、もしかしたら宣材写真の著作権を侵害してるかも」と微妙な思いをした経験があります。
僕は、2020年アシテジTokyo大会が心配なのです。

世界の参加者は、本番中の写真を欲する。
日本のお客さんは、その雰囲気に慣れてない。
海外の方は写真を撮る。
日本人は困惑する。
海外の方は構わず撮る。
日本人も撮り始める。
そして本番が壊れる。

こうならないかと。
これを「注意の徹底」で乗り切るのではなく、新たなテクノロジーの導入で乗り切れないですかね。
本番中にプロのカメラマンが撮った写真を出口で無線(airdropやBluetoothやQRコード)などで気軽にダウンロード出来る仕組みを作るとか。
みんな本当は、本番に集中したがっているハズなので歓迎されると思いますけど。
2020年の東京大会は、ソフト面(理念・作品)だけでなくハード面でも独自性・先進性を打ち出せるといいですね。

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