しばいの大学2018「戯曲研究講座」のチラシができました。
拙作『ちゃんぷるー』や『はれときどきぶた』も教材にどんどん取り入れます! そして今年はベイビーシアターの演出家ジャッキー・e・チャンさんの演出助手も務めました。その時の経験も含めて、今自分が考えている演劇のこと、子どものこと、人形劇のこと、全部詰めます! たどり着いた謎も謎のまま受講生の皆さんと共有したいと思っています。去年よりさらに躍動するつもり。
参加費2000円でどなたでも参加できます。東京近郊の方はぜひご参加くださいませ。
『戯曲はどこに生まれるか』 2018年2月 子ども・おやこ劇場東海連絡会での講演記録
これは、2018年2月20日に愛知県一宮市で開かれた子ども・おやこ劇場東海連絡会さんのイベント、「例会づくり交流会2018」の中で西上が行った講演の記録です。続きを読む →
ドキュメンタリー映画『ひめゆり』ポレポレ東中野で上演中
観てきました。
ドキュメンタリー映画「ひめゆり」。続きを読む →
はれぶたが教えてくれたこと4 「村山籌子さんの詩」
はれぶたのメインテーマ曲「もしも、あめのかわりに」は、村山籌子さんの詩を歌ったものです。この詩は何と今から94年前の大正13年に発表されたものでした。続きを読む →
はれぶたが教えてくれたこと3「iPodでの音出し」
はれぶたは、音出しをiPodで行なっています。コードは使わないWiFiを用いたワイヤレス接続です。というわけで今回はテクノロジー系の報告です。
はれぶたが教えてくれたこと2 「デバイジングへの挑戦」
はれぶたは、デバイジング(集団創作)によって生まれた作品です。会議ではなく稽古場で、脚本ありきではなく実験ありきで作品が形作られていきました。続きを読む →
『はれぶた』が教えてくれたこと その1「人形 > ストーリー 」
この春ひとみ座の元同期生と一緒に作った新作『はれときどきぶた』は、本当に色々なことをボク達に教えてくれました。その一つ一つを振り返ってみたいと思います。続きを読む →
姪っ子『はれぶた』観劇記
久しぶりに姪っ子のことを書きます。(ブログ自体が久しぶりなのですが…)
春休みで、姪っ子家族(義姉と3人の子ども達)が沖縄から遊びに来ています。3月29日と30日の二日間、母と長男は富士山の自然学校へ。長女は原宿へ買い物に行ったり、友達とディズニーランドへ行ったり。というわけで一番下の姪っ子(6歳。この春小学一年生)はボクと過ごすことになりました。その時に『はれぶた』を観ての姪っ子の反応が面白かったと言いますか、「ああ、子どもはこういう風に劇を観ているのか」と改めて考えさせられたので、ちょっと頭の中で整理する意味も含めて書いてみようと思います。続きを読む →
2017年を振り返る
〇〇の歴史教科書を読む
訳あって高校の歴史教科書を読んでいる。
~私たちが暮らしている地球上に人類が初めて出現したのは、今から約300~350万年前と知られている。最初の人類は、アフリカで化石が発見されたアウストラロピテクスだった~
~人類は始め機の道具を使用したが、まもなく石で道具をつくった~
~以後、人類は知能が発達し、火を使う事を知るようになり、食べ物を煮て食べ、氷河期にも寒さにも耐える事ができた~
~人類は狩猟と採集を通して食料を調達し、遺体を埋葬する風習を持っていた~
懐かしさとともに、今となっては高校時分より多少想像力を働かせて読み進める事ができるので面白い。
~わが国に人間が暮らし始めたのは旧石器時代からで、新石器時代から青銅器時代を経て、民族の基礎が作られた~
~東アジアでは先史時代に幾つかの民族が文化を興したが、その中でもわが民族は独特の文化をつくりあげていた~
~わが民族は人類上は黄色人種に属し、言語学上ではアルタイ語族と近い関係にあると思われる。わが民族は遥か昔から一つの民族単位を形成し、農耕生活を土台に独自の文化を築いた~
~旧石器時代の人々は洞窟や岩陰に住んだり、川岸に竪穴住居を建てて住んでいた~
~新石器時代には部族社会をつくっていた。部族は血縁を土台にした部族を基本構成単位とした~
~農耕と定住生活をするようになり、人間は自然の摂理を考えるようになった。農作業に大きな影響を及ぼす自然現象や自然物にも精霊がいると信じるアニミズムが生まれたが、これには豊穣を祈願する意味が込められていた~
~また人が死んでも霊魂はなくならないと考え、霊魂崇拝と祖先崇拝が現れ、霊魂や天を人間と連結させる存在であるムダンとその呪術を信じるシャーマニズムもあった~
どこを読んでも面白いが、最後の二つは、演劇の起源に関係することなので、特に興味を覚える。でももっと面白い事がある。それは、この教科書が実は日本の教科書ではなく、韓国の教科書だということである。
「韓国高等学校国定国史」というのが、この教科書の正式名称である。もちろんボクはハングルで読んでいるわけではなく、その日本語翻訳版、明石書店が2006年に発行した世界の教科書シリーズ『韓国の高校歴史教科書』(訳 三橋広夫) で読んでいる。
なぜ韓国の高校の教科書を読んでいるかというと、来月韓国に行くからである。一人で行くのではない。鹿児島の中高生、大学生、大人たち、そして人形劇団むすび座の方々と一緒に行く。全員で20数人くらいだろうか。何をしにいくのかというと、作品作りの取材旅行。そう、このブログを読んでくださっている方ならご存じかも知れないが、二年に一回の恒例となっている鹿児島子ども劇場×プロ劇団による作品の共同制作がスタートするのだ。
前回2016年は、鹿児島子ども劇場と児演協が一緒になって『ちゃんぷるー』を作り出した。今回は、鹿児島子ども劇場と人形劇団むすび座が新作を作り出す。ボクは光栄な事に『ちゃんぷるー』に続いて、再び劇作家として声をかけていただいた。演出家は、なんと! 『ピノキオ』、『アラビアンナイト』で破竹の快進撃を続けるむすび座の演出家大野正雄さん。鹿児島子ども劇場とまた一緒にやれる、むすび座さんと、大野さんと仕事ができる、というだけでメチャクチャ楽しみ。それも取材旅行にみんなで韓国に行こう、となったのだから驚きだ。前回『ちゃんぷるー』の取材旅行先は沖縄だったが、次は韓国。ついに国を飛び出してしまった。恐るべし鹿児島子ども劇場。
でももっと恐るべしなのは、こんなに大がかりな作品作りをするのに、どんな作品になるのかまだ影も形もないことだ。取材旅行を通して、子ども達が感じた事、考えた事が作品の骨格となっていくので、日本を出てない今現在、本当に影も形もない。恐ろしいー
というわけで、鹿児島の子ども達も今、韓国について勉強しているはずである。なので、ボクも勉強をと図書館へ。そしたらこの本を見つけたので面白そうと、手に取った次第。本当は、近代史を韓国側から見てみたい、という思惑だったのですが、これは思わぬ収穫。だって先史においては両者の歴史に違いはない、と言い放っても語弊がないくらいですから。いや、少なくとも素人目で、高校の教科書を見比べるレベルでは。
土器の写真も見てみてください。
韓国の土器です。左を隆起文土器、右を節目文土器と呼ぶみたいです。ちなみにブリタニカ国際大百科事典にはこんな記述がありました。
隆起線文土器(りゅうきせんもんどき)
・・・縄文時代草創期に出現する土器。日本最古の土器の一つと考えられている。(中略)口縁近くを粘土紐で装飾するのでこの名で呼ばれる。(中略)九州、被告、本州に見られるが、北海道からは確かなものはまだ発見されていない。
いや、これもう同じものでしょ。親近感沸きますねえ。先史においては韓国⇔日本と海流に乗って人がどんどん行き来していたんだろうなあ。いや、国の概念もないだろうから、「ちょっと行ってくるわ」って感じだったのかなあ。というわけで、年末年始は韓国について勉強しています。